ブログ開設6周年記念 「改訂版・雄(オス)の序列」

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     2012年の夏、ホームページ開設とほぼ同時期に

    始めた「原酒店の気ままブログ」。

     

    当初の予想以上のアクセス数に支えられての6周年、

    おかげ様で7年目に入ります。

     

    でも、お酒の紹介だけでは自分の中でとっくに

    飽きていたでしょう。

     

    開設して半年過ぎたあたりで「雑記」という形で

    文字通り気ままにエッセイ風のものを書き始め、

    自分の中で別のリズムが生まれ、このブログに新たな

    息吹が吹き込まれた…は格好つけすぎですが(笑)

     

    その最初に書いた「雄(オス)の序列」を少し改訂し、

    6周年記念で再録させてもらいます。

     

     

     

    高校時代の話です。

     

     

    僕とMとの間に小さな因縁ができました。

    3年の1学期の文化祭での事。

    当時男子校でしたが文化祭と体育祭だけは、
    他校の女子生徒も自由に出入りできます。

     

    年に2回だけの出会いのチャンス!

    朝から心が弾んでます!躍ってます!

    「俺はこんなはずじゃない…」と思いながらも、このまま

    永遠に「モテない君」状態が続くじゃないだろうか…

     

    少しずつ焦りと不安が深まっていた17才。

     

    この日に賭けてました!

    なるべく擦れてなさそうな女の子を探して、
    「案内するけん一緒に学校内をまわらん?」


    努めて爽やかに声をかけました。

     

    「…う〜ん」

    モジモジしている女の子にまた爽やかに

     

    「行こうよ」



    そこに横合いからMです。

     

     

    Mという男、身長は180cm位。

     

    リーゼントで金縁45度のメガネ、何故か反り返った歩き方をします。

     

    当時の福岡では「ヤンキー」とはいわず「ツッパリ」です。

    理由はよくわかりませんが他人とのトラブルがやたら多くて、

    僕の友達内では評判の悪い男でした。


    「俺の先輩紹介するけんおいで…」


    僕と女の子とのやりとりが終わる前に
    無遠慮に声をかけてきたんです。

    Mと女の子がどうなったか知りませんが
    僕は不愉快極まる思いでその場を去りました。

    これが僕とMとの最初の接点でした。

     

     

     

    ここは福岡大学付属大濠高校。

     

     

    以前はイニシャルにしていましたが、弊ブログで何度も

    触れているので、もう実名でいいでしょう。

    東京や大阪やでは、「福岡大学って国立ですか?」
    よく尋ねられましたが私立です。

    近年、校舎を新築し中高一貫の男女共学になり優秀な

    進学校になってます。

    「福岡あるある」によく出てきますが、出身中学や高校で人を

    判断するという、他地域の人には理解されにくい癖があります。
    (福岡の人は当然な事としか思ってません)

    「あんた、どこの高校出身ね?」


    僕も聞きますが、すぐに聞いてきます。

    出身大学を聞くならば、全国的かもしれませんが、
    中学や高校なんです。

    今は後輩たちの頑張りで、恥ずかしい思いをせずに済んでますが、

    僕の親の世代の頃はそれはそれは酷い高校だったそうです。

    一言で言えば、「ボンクラと不良の巣窟」のような男子校です。

    時代は流れ、僕が入学する昭和50年代には「特進クラス」があり、

    それなりに難しくはなってはいたけど、ほとんどの生徒が公立の

    上位校との併願で、「すべり止め」で受験した者たちです。

    僕も含め2千数百人の全校生徒のほとんどが、第一志望の

    公立高校に落ちた「高校受験の挫折者」でした。

    入学して驚いたのは「受験負け組」のくせに「ガリ勉くん」

    タイプが結構多く、分厚い辞書3冊入れ、学生カバンを

    パンパンにして通学するというイケてない奴が多い事でした。

    近隣の女子高の生徒達に「イモホリ」と小バカにされてる事を

    知ったのも入学後でした。

    そんな「イモホリ」でも当時はバンカラな気風が濃厚に

    残っていました。

    男ばかりが何百人も一度に入学するのですから、
    学力とは別のところで、当然のように雄(オス)の

    勢力争いが起こるのです。
     

    しかし僕がいた3年間は番長が存在しませんでした。


    正確には番長争いがなかったんです。

    争わずして序列の頂点に柔道部のNがいたからです。

    Nは中学時代から柔道とケンカの強さで鳴らした男で

    「東のA」「西のN」と恐れられ、東の方は大相撲に行き、
    西は柔道の特待生として強豪の大濠高校に入学しました。

    Nは中量級で大柄ではありませんが筋肉の塊です。


    柔道も確かに強かったですが、眼光の鋭さ、動物的精気、

    恐怖心を母親のお腹の中に忘れて生まれてきたかのような

    並外れた度胸、そして餃子のような両耳(笑)…

     

    どこをとっても挑もうという気を起こさせない

    オーラを醸し出していました。

     

    そして僕は何をトチ狂ってか、経験もないのに
    そのNのいる柔道部に入部してしまいました。

     

    柔道部の遠征合宿中の僕とN。

    1年の時は暗黒の日々で、辛くて辛くて
    何十回辞めようと思ったかわかりません。

     

    昼休みは部室に詰めて、先輩の為のうどんやパンの使いっ走りで

    学食やパン売り場を走りまわり、辛い練習が終わると片付けや

    雑用に追いまくられます。

     

    更には僕を人と思ってないんじゃないか?

     

    真剣に疑ってしまう程コキ使う、3年生のSという嫌な先輩がいました。

    ただ退部すると「お前は○○部崩れか?」と授業中に先生にまで
    言われるバンカラな校風。


    「崩れ」という言葉の響きが何か「人間モドキ」のように感じ、

    ネガティブなレッテルを貼られるのが嫌で何とか耐えてました。

     

    柔道初心者の僕は体も細く、部活動の全てに耐えるのが精一杯なので、

    学業を完全に犠牲にして授業中と授業の合間の10分間の休み時間は

    体力温存の為にわき目もふらず、1年間徹底的に寝て過ごしました(笑)

     

     

    それでも強者揃いの柔道部の中で揉まれると、心身共それなりに

    タフになるもので、黒帯となり2年時にはそろそろオスとしての

    アピールをする余裕もできてきました。

     

    教室では休み時間に黒板に先生や生徒の似顔絵を書いたり、

    バカな事言って人を笑わせるのが好きでしたが、幸運にも?

    Nと同じ柔道部員で友人という事で、ワル連中にナメられる

    事はありませんでした。

    おとなしい同級生が
    「ハラケ〜ン、○組の△にパンを取られたぁ」
    泣きついてきます。

    △のクラスに行って取った当人に掛け合い、
    取り返すか代金を徴収してほしいとの意味です。

    そんなくだらない事でも「オスの序列」が

    重要になってくるのです。

    当時の僕は坊主頭で一目で運動部とはわかりますが、
    まだ耳も潰れてませんでしたし、体格的にも野球部員や
    剣道部員と大差ないので貫禄不足は否めません。


    パン程度は取り返して来るものの、自分の序列の曖昧さは
    何となく自覚していました。

     

     

    進学校とはいえワルは沢山いますし、小競り合いは日常茶飯でした。

    休み時間にケンカが始まると、日頃の校則の厳しさ故に
    ストレス発散で物凄い盛り上がりになるのです。


    教室や廊下に一瞬にして100人以上のギャラリーが
    集まりケンカの当人達を囲みます。

     

    ケンカは「大濠の華」でした。


     

     

     

    文化祭後のある日…

     

    体育の授業が終わり柔道部の部室で学生服に着替えていると


    「ハラケ〜ン、Mがまたケンカ始めたぁ!」


    Hから伝令が飛んできました。

    4階の教室までダッシュすると廊下は既に人だかり。


    「ゴメンゴメン」と人垣をかき分け教室に入ると
    Mと友人のN島が睨み合って一触即発の状態です。

     

    小柄だけど気が強いN島はMと目線の高さを合わすため

    教壇の上に立ってます。

    睨み合いの相手が友人のN島という事で僕はカッとなり

     

    「きさぁん、また横着な事しよろう!」
    (貴様、また生意気な事やってるだろう)

    一気にレッドゾーンを振り切りMに突進していきました。

     

     

     

     

    文化祭の日の夜に戻ります。

     

    昼間の出来事ででMが他人とのトラブルが多い理由が

    わかったような気がしました。

    結局不首尾に終わったその夜、同じ柔道部のU宅で
    10人程集まって打ち上げと称しワイワイやってました。

    そこで僕は友人達に昼間の出来事を話してるうちに
    ナメられた怒りがこみ上げてきて、Mの家に電話して
    (当時は携帯電話などありません)
    「お前おぼえてろよ!」みたいな内容を通告しました。

     

    現在のように個人情報にうるさくない時代なので、
    生徒の住所録はみんな持ってました。

     

    体力的にも少し余裕が出てきた2年の頃からは、土曜の夜になると

    アパートで一人暮らしの友人宅に集まり朝まで遊んでいました。

     

    ただ運動部の日曜日は朝からの練習だったので、100%の

    解放感はありませんでしたが…

     

    僕の右隣は同じ柔道部の豪腕のUです。

     


     

     

    実はMとN島の睨み合いに乱入したのには

    もう一つの伏線がありました。

    以前に、別のクラスの某が僕の事を「あいつは大したことない」

    的なニュアンスの事を言ってたと人づてに聞きました。

    別段「強面」で売ってる訳でもなく、落書きしたりバカな事ばかり

    言ってる僕なので「大したことない」のは間違いないでしょう。

     

    大人であれば笑って聞き流せる程度の噂話です。

    しかし17才のオスである以上、軽い屈辱感を覚え、
    それがずっと未消化のまま体内に沈殿していたのです。

     

    「どこかで序列を変えてやる…」

     

     

     

     

    再び4階の教室。

     

     

    突進してきた僕にMは身構えるヒマもなく

    会心の右ストレートをまともに食らい

    教室の前から後ろまで吹っ飛んでいきました。


    追撃弾を食い、完全に戦意喪失しているMに僕は

    「N島に謝れ!」

    「…ゴメン」

    「バカ!土下座しろ!」

    N島に土下座して立ち上がろうとしたMに

    「おい!俺には!」

    「…はい」

    もういいかな…と思ってたところに柔道部一というか、

    全校一の怪力の持ち主Uがギャラリーの中から乱入してきて

    「キサン!だいたい横着かったい!」(お前、生意気なんじゃ!)

    何故だか突如、豪腕ビンタでMを再び吹っ飛ばしてしまいました。

     

    (凄い!しかし何でU?訳わからん?)


    この派手な立ち回り後、僕を軽んじた噂も封殺できたようです。
     

    僕にとっての「オスの序列」はこれで充分でした。




    それにしても哀れなのはMです。

    N島との小競り合いの最中に乱入してきた
    当事者でもない僕に殴り飛ばされ、

    何の反撃もできぬまま大勢の前で土下座までさせられ、

    終わりかと思ったところに、

    更にに乱入してきて僕以上に無関係なUに
    全く意味不明な豪腕で
    教室の扉まで張り飛ばされしまいました。

    僕でも絶対貰いたくないUの豪腕ビンタを見舞われた
    Mは尻尾を垂れた老犬のようになってしまいました。

     


     

    その後しばらくしてMが友人と思しき某に


    「卒業式に893の先輩を連れてきて、原を半殺しにする」

    某から某を経由して、翌日には僕の耳に入ってきました。

    この伝達の早さの理由は、Mの不人気は当然あるとして、
    僕への義理でという訳ではありません。

    ただ単純に、僕にもうひと暴れしてもらって面白がろう

    という「間違った大濠魂」に違いないのです。

    Mは悔し紛れに放った一言でしょうし、
    僕もこれ以上、Mに関わる気はありませんでした。



    ただ、釘だけは差しておこうと
    その夜、Mの家に電話しました。

    当時はだいたいお母さんが電話に出られます。


    「もしもし、Mさんのお宅ですか。
    大濠高校の原といいますが、

    ○○君いらっしゃいますか?」

    少々間があり

    「…もしもし…」

    「おう、…お前、卒業式に893連れてきて
    俺を半殺しにするらしいねぇ」

    「えっ、いや…」

    「893でもなんでも好きに連れてきやい!
    …お前が卒業式まで生きとったら…」 

         ガチャ

     

     

    ここは一気に畳み掛けます。

    翌日の朝の始業前の補習中…

    自分のクラスの補習をサボって僕は
    Mの教室横の廊下に立って腕組みしてました。

    夏場の教室の窓は、ベランダ側も廊下側も全開です。

    廊下から3列目あたりに座っていたMは
    僕に気付き次第に落ち着きがなくなってきました。

    しきりに僕の方を見て手を合わせペコペコします。

    僕は冷たい無表情で腕組みしたままです。

    Mは焦りだし、授業そっちのけで、
    合わせた手をスルスルしだしました。

    リーゼントで45度の金縁メガネの強面のはずが、

    火でも起こすのか?というくらい手をスルスルして

    懇願するMの姿がおかしくて、僕は吹き出しそうに

    なりました。

    が、そこは渋く苦みばしった表情を作り、

    小さくうなずきその場を去りました。

     

     

     

    余談ですが、先日N島が帰省してくるというので

    酒席に参加しました。

     

    N島とMの睨み合いの話題も出ましたが、どうして

    睨み合いになったのか、当時も今回も聞くのを忘れて

    しまったので、実は理由を知らないままなのです(笑)



    「改訂版・雄(オス)の序列」、おしまいです。
     

    80余年の原酒店と7年目の「原酒店の気ままブログ」、

    今後ともよろしくお願いいたします。

    >>ホームページ掲載商品のオーダーについてはこちらをごらんください。



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