「繁桝 雄町純米 生々」と電柱のバイト募集の貼り紙

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     福岡では花見の時期も終わり、またまた更新が滞りました。

     

    今回は以前記した大阪で約17年間お世話になったF社の話から… 

     

     

    「原さん、外の電柱にこんなんありましたよ」

     

    僕が劇団の稽古場に着くと、ひとつ年下の後輩Iがアルバイト募集・

    日当6000円・日払いとある貼り紙を剥いで持ってきてました。

     

    「土方より良さそうやね」

     

    「面接行こうか」

     

    初めての大掛かりなテント公演が終わったばかりでした。

     

    大阪・梅田のコンテナヤード跡地に劇団四季の「キャッツシアター」

    という立派なテントが建っていて、その傍に「巨大バラック」の

    ような手作りの汚いテントを建てての公演でした。

     

    設営→公演→撤去・片付け…結構な期間かかりっきりだったので、

    終わった時は疲労と充実感と寂しさとがないまぜだったのを

    覚えていますが、そんな感傷よりも何よりも金がない!

     

    住んでいるアパートの家賃や光熱費・食費、稽古場までの交通費…

     

    ひとつのバイトすら長続きせず、月にいくら稼げば生活できるか

    という計算は曖昧、自分が学生なのか社会人なのかも曖昧。

     

    甘い甘い意識の時期でしたが、とにかく働かないと生きて

    いけないのだけは明白。

     

    さすがに待ったなしで焦ってました。

     

    Iと一緒に面接に行った場所は、大阪市都島区役所の

    裏手のビルの1階の奥。

     

    近くには桜ノ宮のラブホテル街があります。

     

    事務所には容姿は十人並みですが、前歯が一本抜けた

    若い女性事務員がひとり。

     

    履歴書を書いていったのがアホらしくなるほど適当な

    面接でしたが、仕事内容は引越し大手のA引越しセンターの

    引越し助手やその他諸々、前日の夕方に出勤確認の

    電話を入れて、仕事の日は朝7時にここに来て…と。

     

    それだけは理解できました。

     

    面接後、Iとは仕事の内容よりも前歯が抜けた事務員の

    残念さばかりを話題にしてゲラゲラ笑ってました。

     

    Iとは別の日の初日、早起きが苦手な僕は前夜はほぼ寝ずに

    出勤して7時に事務所に着いたはいいが、事務所は鍵が

    開いてなく前で何人も待ってました。

     

    15分ほど経ったでしょうか、中から寝起きの人が出てきて

    「これを着て」とダンボールを指さしました。

     

    後から知ったのですが設立したばかりのこの会社、

    引っ越し作業中に傷がついた家具の補修もの仕事の一つで、

    寝起きの人はほぼ徹夜で補修作業していた社員の人でした。

     

    で「これを着て」と言われたダンボールの中には、洗ってない

    グシャグシャで汚いツナギが何着も!

     

    大きなサイズを選んで他人の汗臭いツナギを着ても次の指示がなく、

    しばらくボンヤリしてました。

     

    この時点で(ここは失敗、今日で辞めよう)。

     

    暫くするとA引っ越しセンターのツナギを着た運転手らしき

    人が事務所に現れ「10何人」。

     

    「じゃぁ行って」

     

    徹夜明けらしき人に言われてゾロゾロついて行ったら、表に

    停めてあった1トン半のトラックの幌の荷台に乗せられ出発。

     

    幌を閉められ暗い荷台に10数人が無言の中、今日が初めてじゃ

    なさそうな高校生らしきバイトの子に

     

    「何処に行くの?」

     

    「さぁ…」

     

    (何処に連れて行かれるかも知らんままで、お前それでいいんか!)

     

    腹立たしくなりましたが、それもすぐにため息に。

     

    (やっぱり失敗、今日で絶対辞めよう)

     

    着いた先は名神高速の吹田インター近くにあったA引っ越しセンターの

    当時の営業所。

     

    ようやく呑み込めたのは、この時期は引っ越し繁忙期。

     

    関東方面から荷物を積んで運転手一人で来るトラックに

    数名乗り込んで、引っ越し先の荷下ろし作業の助手でした。

     

    作業を終え営業所に戻り再び幌トラックに乗せられ、都島の事務所に

    帰ってきたのが夜の7時頃。

     

    「原君お疲れ!」

     

    初めて会った配車業務の人に貰った日当は6000円プラス

    残業2時間でたったの1000円ですが、合計7000円。

     

    さっきまで今日で辞めようと思ってましたが、その日の

    飯代にも事欠く身に7000円は大きいです。

     

    次の出勤予定はまた連絡しますと言葉を濁しましたが、

    帰路、また行こうかなと考えてました。

     

     

    一方、一緒に面接を受けたIはというと…

     

    2日目の某大学内での移転作業中、何を思ったか途中で

    勝手に帰ってしまったのです。

     

    稽古場で事情を聞いたら、誰かと揉めたとかではなく

     

    「ホンマ、しょうもない仕事でダルかったんですわ」

     

    (…俺は何日続くかな?)

     

    そんな青っちい頃でした。

     

     

     

    本題は雄町特有のコクがあるのにスッキリしていてキレがいいお酒で、

    原酒店の「隠れ看板酒」入荷の案内です。



    繁桝 雄町 特別純米生々

    福岡県八女市 高橋商店

    原材料 米・米麹(岡山県産雄町)
    精米歩合 60%  日本酒度 +2〜3
    アルコール度数 16〜17度  要冷蔵

    1.8L  2500円(税込み2700円)
    720ML 1250円(税込み1350円)

     

    酒米「雄町」はかなり穂が高く他のイネよりも

    30センチ以上高くなるそうです。

    台風に弱いだけじゃなく、肥料をやりすぎると風がなくても
    倒れてしまい、栽培には高度な技術が必要な品種だそうです。


     

    原始的ともいえる品種で粒も15%程大きいそうです。

    そんな厄介ともいえる品種の「雄町」ですが、
    現在の酒米の王様「山田錦」には出せない
    深い味わいを醸し出すのです。
    (もちろん造り手の腕次第ですが…)

    >>ホームページ掲載商品のオーダーについてはこちらをごらんください。



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